- 住宅工法
- 2024.08.02
ツーバイフォー工法とは?
ツーバイフォー(2×4)工法とは、木造建築の工法のひとつで正式には「木造枠組壁工法」といい、2インチ×4インチの角材を使うことからこのように呼ばれています。
ツーバイフォー工法の最大の特徴とも言えるのが、その優れた耐震性です。
日本は世界有数の地震国のため、やはり住宅選びの際、「揺れに強いかどうか」は最も重視したいポイントになります。
ツーバイフォー工法の住宅は、過去に甚大な被害をもたらした阪神淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震でも耐震性能上での全壊は0棟で、ほとんどの住宅が居住に支障なく、最大震度7というものすごい揺れからも耐えうることができ、その確かな耐震性を実証しました。
また、木造住宅というと「木=燃えやすい」と心配される方も多いですが、実は鉄骨よりも耐火に優れているのです。
では、なぜツーバイフォー工法が耐震・耐火に優れているのか、その仕組みを詳しくご紹介いたします。
柱でなく面で支えるツーバイフォー工法
木造住宅といえば、柱や梁などの軸組によって支える「木造軸組工法」が日本の在来工法ですが、それに対して、壁や床、屋根などの面で支える「木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」は、面構造にすることで建物全体が一体構造となり地震など外部から受ける力を分散させることができます。
このような一体構造のことをモノコック構造と言い、壁パネル、床パネル、屋根パネルで6面体を作ることで、どんな方向から受ける力にもしっかりと対応し、地震はもちろん台風などありとあらゆる災害にも耐えることができるのです。
これまで日本では木造軸組工法が主流でしたが、阪神淡路大震災のとき、全壊約10万棟、半壊約29万棟という大きな被害を受けた中、ツーバイフォー工法の住宅はほとんど大きな被害を受けず、97%が被害なく、補修の必要なく居住することができたことで一気に注目を集め、年々ツーバイフォー工法を選ぶ人が増えています。
徹底したマニュアルで確かな品質と安全を実現
ツーバイフォー工法は、使用する部材や釘の本数、種類などが細かく定められており、施工手順においても釘の間隔など打ち方までもが徹底的にマニュアル化されています。
そのため、大工さんの腕前などに左右されることなく、常に安定した品質を保つことができるのがメリットです。
その対して、木造軸組工法はこのような明確な規格などが特にないため、品質にどうしてもばらつきが出やすくなってしまうのです。
一生に一度のマイホームですので、このような施工者の技量による品質のばらつきは避けたいものです。厳密に規格化されているツーバイフォー工法だからこそ、いつでも確固たる安心安全を実現でき、ツーバイフォー工法の強みとも言えます。
より耐火機能を発揮するツーバイフォー工法の構造
ツーバイフォー工法は、その構造にも優れた耐火性の秘密が隠されています。
ツーバイフォー工法の住宅は、基本的に各部屋がそれぞれ箱型になっており、それらを組み合わせた構造になっているので、火の通り道となる床や壁の枠組材などが空気の流れを防ぎ、火が上階へ燃え広がるのを防ぐ「ファイヤーストップ材」として働きます。
そのため、万が一火災になった場合も、このファイヤーストップ材により火の進行をくい止め、被害の拡大を防ぐことができるのです。
また、ツーバイフォー工法は一般的に天井や床や壁の内部に断熱材が埋め込まれており、火災のときにも構造材に熱が伝わりにくく、木材の発火を抑制します。
断熱材以外にも、天井などの内部には石こうボードが貼られており、石こうボードに含まれる約21%の結晶水によって炎を熱分解させ、約20分もの間、水蒸気を放出することで温度の上昇を防ぐことができます。
このように、ツーバイフォー工法ならではの構造が耐火機能をさらに強化させ、たとえ火災が起こったとしても最小限の被害にとどめることができるのです。