住まいづくりのコラム

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高齢者住宅・障がい者住宅
2018.12.10

医療機関が高齢者住宅に期待する役割

高齢者住宅は名前の通り高齢者のための住宅です。
人間は歳を重ねていくと、体のあちこちに支障が出てきますので、大小様々ですが医療のお世話になる方がほとんどです。
高齢者住宅は、国が推進する地域包括ケアシステムの中の1つに組み入れられており、安心した生活ができる拠点の1つになります。
高齢者になると病院やクリニックなど医療機関を利用する機会が増えてきます。住宅は提供できたとしても、高齢者が長く住むことができる住宅でなければ、入居は安定しないでしょう。そこで医療や介護と連携をして、高齢者でも安心して暮らせる高齢者住宅を目指すことが必要です。
また、病院で入院していた患者さんが回復して、自宅での生活が難しいので退院先として高齢者住宅を探すこともあります。
この場合、多くは医療機関にある地域連携室の職員が高齢者住宅を探して紹介するような仕組みになります。医療機関が高齢者住宅に対して、どのような役割を期待しているのか、確認してみたいと思います。

バリアフリー対応は必ず行う

高齢者住宅は、ある程度自立した生活ができる方を対象にした住宅です。バリアフリーであることは当然の仕様ですので、どこもバリアフリーを謳っている住宅がほとんどです。そのため、室内に段差がないだけでは差別化にはなりません。
医療機関側が期待するものとしては、高齢者が安心して暮らせる住宅です。
バリアフリーであることも良いのですが、生活の中で段差をまたぐ動作ができる高齢者には段差がないお部屋でなくても可と考えている医療機関は多いです。ただ、将来的に段差でつまづいて転倒する恐れがあるリスクは取り除きたいと考え、できるだけバリアフリーの住宅を提供したいと考えているでしょう。
バリアフリーだけでなく、他にも高齢者が自宅で快適に暮らす時に必要な視点は多いです。ただ、どこまでそうした需要や要望に応えていくかは、判断が難しい面もあります。
一言に高齢者と言っても、元気な高齢者もいれば少し体が不自由な方、医師の定期的な診察が必要な方もいます。それらの体の機能や病状が様々な高齢者がいる中で、全ての高齢者に合った住宅を作ることは、費用面や医療職を配置するといった人員的な面で難しいです。

医療機関が経営する高齢者住宅でも全ての高齢者は受け入れできない

医療機関が経営している高齢者住宅も国内に多々ありますが、医療機関が経営をしていても入居できる方の基準があり、病態によっては入居希望の高齢者を受け入れることはできないのが現実です。それほど、様々な状態の方がおりますので、全ての高齢者を受け入れることができるようにするのは、不可能と考えたほうが良いでしょう。
このようなことを考えると、高齢者が安心できるバリアフリー住宅は標準とした中で、住宅の運用方法といったソフト面を工夫する高齢者住宅も多いです。
また、医療機関も高齢者が楽しみを持った中で生活ができる高齢者住宅であることを望んでいます。
運用面としては、レクリエーションを充実させる施設も多いです。高齢者が部屋に引きこもってしまっては、体を動かす機会もなく、人と話したりする刺激も少ないと、体や心の老化は進む一方です。そこでレクリエーションを行うことで入居者同士の交流や生活の刺激を与えることになります。
高齢者住宅の中には、共同の畑を入居者に開放しているところもあります。
入居者の中には庭いじりが好きな方も多くいるでしょう。ある高齢者住宅には農家を経営していた方もいらっしゃいました。そこの畑では、その農家の方が中心となってトマトやきゅうり、枝豆など野菜を多く栽培しています。
収穫時にはみんなで料理をするといった入居者同士のコミュニケーションにもなっています。
このような日頃からの入居者同士の触れ合いがあると、お互いにお互いを見守ることもでき、安心して暮らすことができるでしょう。

何か変化があったら連絡がもらえる環境も重要

最後に医療機関が求めることとしては、生活の上で何かあった時、すぐに医療機関側に連絡が入るような体制でしょう。
持病等があり、訪問診療や訪問看護といった医師や看護師が高齢者住宅に訪問するサービスを利用する方も多いです。入居者の状態で何か変化があった時に訪問看護や訪問診療をおこなっている医療機関に連絡できる仕組みがあると安心です。

訪問診療や訪問看護は、週に1回の訪問など患者さんに合わせて行われます。
医師や看護師が来てくれて、入居者を診ている時間帯は大丈夫ですが、医師も看護師も来ていない時間の方が圧倒的に長いです。そうした時に入居者の体調が悪くなったり様子が変わったりした時、すぐに医師や看護師に繋げることができると、初期対応が早まりますので医療機関側も助かります。
高齢者住宅に住まわれている方は、そうした施設側の見守りの目もあることが安心材料になります。医療機関側としても、そういうソフト面が充実している高齢者住宅は安心して患者に紹介することができます。

※記事引用 ・厚生労働省 ・国土交通省・㈱官公通信社・高齢者住宅新聞社・福祉新聞・日本経済新聞 他

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