- 高齢者住宅・障がい者住宅
- 2019.12.10
就労応援条例の骨子案と就労継続支援B型の月額平均工賃
社会的企業を認証へ 東京都が就労応援条例の骨子案を公表
東京都は10月31日、障害がい者や引きこもりなど就労が困難な人を応援する「都民の就労を応援する条例」(仮称)の骨子案を公表した。就労困難者を多く受け入れる社会的企業「ソーシャルファーム」の認証制度を導入するのが柱。12月の定例議会に条例案を提出する。
ソーシャルファームは事業収入が主な財源で、税の投入は基本的にない。就労困難者を相当数雇用し、支援を受けながら他の従業員と一緒に働くのが特徴だ。1970年代にイタリアで誕生し、ヨーロッパでは約1万社ある。
骨子案によると、ソーシャルファームの創設と事業活動を支援するための認証制度を導入する。認証基準や支援メニューは条例ではなく、別途策定する指針に盛り込む。
このほか条例では、「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」の考え方に立って就労支援することを基本理念に掲げ、都、区市町村、事業者、都民それぞれの役割を明示した。
職業体験や職業能力の開発、職場定着など就労支援に向けた施策の方向性も示した。これに基づき、都は具体的な施策を展開していく予定だ。
都によると、同様の条例は全国的にも珍しく、都道府県単位でソーシャルファームの認証を規定した条例は初めてだという。
就労継続支援B型 月額平均工賃1万6118円で前年度より3.3%UP↑
厚生労働省は11月25日、障害者総合支援法に基づく就労継続支援A型、B型について、2018年度の平均賃金・工賃を明らかにした。
障がい者が雇用契約を結んで働くA型は平均賃金が月額7万6887円で、前年度比2802円(3・8%)増えた。雇用契約を結ばずに働くB型は平均工賃が月額1万6118円で、前年度比515円(3・3%)増えた。
同日の社会保障審議会障害者部会(座長=駒村康平・慶應義塾大教授)に報告した。
都道府県別に見ると、A型の平均賃金は茨城、滋賀の2県で前年度より下がった。B型の平均工賃は前年度全国で最も高かった福井県など5県で下がった。
18年4月の障害報酬改定により、事業者が受け取る報酬は、A型の場合、障がい者の平均労働時間が長いほど高くなるよう設定。B型は障害者の平均工賃が高いほど高くなるようにした。この改定が影響して、賃金・工賃が全国平均で上がったとみられている。
就労継続支援のサービス利用者数は、今年7月現在、A型が約7・1万人、B型が約26・3万人。18年度の事業所数はA型が3554カ所、B型が1万1750カ所。
※記事引用 ・厚生労働省 ・国土交通省・㈱官公通信社・高齢者住宅新聞社・福祉新聞・日本経済新聞 他