- 資金計画
- 2020.02.28
住宅ローンの頭金は少ない方が良いの?多い方が良いの?
住宅を購入する際に悩ましいのがお金の問題。住宅ローンを組んで購入する方が多いですが、頭金をどれくらい用意すれば良いのか悩むこともあるでしょう。
両親からの援助があったり、住宅を購入する時のために長年貯蓄をしてきた方は、頭金を多く入れて住宅ローンを組む方もいらっしゃいますし、逆に頭金ゼロで住宅ローンを組んで購入する方もいらっしゃいます。
頭金が多いか少ないかでどのような影響があるのかを考えると、住宅を購入する方法が広がる可能性もありますので、一緒に考えてみましょう。
頭金ゼロのメリットはすぐに購入できること
住宅を購入する際に、手持ちの資金を残して、頭金ゼロで住宅ローンを組むことも1つの方法です。
頭金ゼロであれば、住宅を購入する際、最初にかかるお金を用意せずに購入できることになります。その一方で頭金がない分、借入金は増えますので毎月の返済額は多くなってしまいます。
返済額が増えるデメリットはありますが、頭金ゼロで購入できるメリットもあります。
頭金がゼロで購入できる一番のメリットは、初期費用を抑えることができ、住宅を購入したいと思うタイミングですぐに購入することができることです。
住宅を購入したいと思うのは、子どもが生まれたなどの家庭環境の変化がある時が多いです。その時タイミングよく頭金にできる貯金があれば良いですが、現実的には難しいケースが多いでしょう。
例えば、土地の取得と住宅の建設費用の合計で3000万円が総額だとすると、頭金に2割用意するとしたら600万円になります。月に5万円貯蓄したとしても、600万円貯めるには10年間、月に10万円貯蓄していっても5年間の時間が必要です。
10年前からコツコツと貯蓄をしていれば、2割の頭金はすぐに用意することができますが、今すぐに頭金を用意して住宅を購入したい場合はなかなか難しいでしょう。
常に貯蓄がある状態を続けることができないこともありますし、転勤等で2つ目の住宅を購入したい場合もあります。そうした場合であっても、住宅が欲しいときにすぐに購入できるのが、頭金ゼロで購入する際の1番のメリットでしょう。
住みたいと思っていた人気のエリアに土地がたまたま出た時や、実家の近くで空き地が売りに出たなど、そのタイミングを逃すと次に同じような物件を手に入れられるかどうか分からないタイミングもあります。そうした場合に頭金ゼロで購入できると、チャンスを逃すことなく理想の住宅を手にすることが可能です。
デメリットは返済額が増えること
頭金が少ないことによるデメリットは、月々の返済額が増えるところです。頭金を用意して住宅を購入するよりも借入金額が増えますので、毎月の返済額は自ずと増えてしまいます。返済は長期にわたり続きますので、毎月の返済額が家計の負担で賄えるかどうかを検討した方が良いでしょう。
お金のことを考える場合、頭金ゼロでの購入は月々の返済額が増えるデメリットがありますが、今、住んでいる家賃の支払いと比較してみるのも良いです。家賃を永遠に支払い続けていても、貸してもらっている部屋は自分のものになりません。
例えば家賃8万円を支払い続けても将来は何も残りません。頭金ゼロで月々10万円の返済になった場合、月々の負担は家賃8万円よりも2万円増えますが、住宅ローンの返済が終わった時には家賃の発生はなく住み続けることができます。
また、子育てのタイミング等を考えると、賃貸の狭い部屋で隣近所のことを気にして生活するのではなく、広々とした戸建てでのびのびと子育てができるのは、金銭面だけでないメリットもあります。そうした視点で考えると、頭金ゼロで早めに戸建て住宅を手にできる恩恵もあるでしょう。
頭金を多く入れた場合のメリットは安心感
住宅ローンを組む際に頭金を多く入れた場合は、月々の返済額を抑えることが大きなメリットです。毎月の返済額が少なければ、その分のお金を趣味に使ったり、子どもたちの教育にお金をかけたり、老後の資金を貯めることもできます。
毎月の返済額が多くても良いという方は、返済する年数を短くすることもできます。返済期間が短くなれば、仕事をリタイアするまでに返済が完了できるなどの人生設計も可能です。
返済金額を少なくするのも返済期間を短くするのも、どちらも借入に対してゆとりのある安心感を得ることができます。
頭金を多く入れるデメリットとしては、手元資金が減ってしまうことでしょう。返済額を減らしたいがために貯金を全て頭金に回してしまうと、何かあった時にお金がなくて困ることもあります。
頭金で使ってしまったお金は戻ってきませんので、急な出費の発生や近い将来の子どもの学費などのことも考えて頭金を決めないとなりません。後から学費等のローンを組むこともできますが、一般的なローンは住宅ローンよりも金利負担が大きくなります。そうしたことも考えて頭金の額を決めると賢く住宅の購入ができるでしょう。