- 高齢者住宅・障がい者住宅住宅選びのポイント暮らし方
- 2020.06.04
シニア世代の新築住宅事情
新築住宅の購入は若い世代に限った話ではありません。最近はシニア世代の方々が住み替えによって、新築住宅を購入するケースが増えています。
シニア世代が住み替えを決めるきっかけとしては、子どもが独立して家を離れ、夫婦2人暮らしになったからという家庭環境の変化が大きいでしょう。子供のことを考え、広い住宅を購入された方は、子どもが独立した後は、夫婦2人だけの生活のため、持て余してしまいます。このような方は、コンパクトで自分たちの生活に合った新築住宅を購入する事を選択するのでしょう。
また、築年数が経過しているのも住み替えたくなる要因の1つです。住宅が古くなると、維持の手間や費用も発生してきます。老朽化に伴い、設備の更新や住宅の修繕が増えてくるのは仕方のないことです。
不必要に広い住宅で建物も古くなっているのであれば、住み替えを行って広さも古さも解決できるのは魅力的です。
近い将来の身体能力も心配だったから新築住宅を
シニア世代が住宅を建て替える時、若い世代とは別の視点が入ってきます。自分たちが近い将来、身体能力が衰えてきた場合の生活を考える方が多いです。
バリアフリーで安心・安全な住宅を望む傾向が強く、住宅内に階段がない平屋住宅を望む声が多いです。階段の上り下りは、年齢を重ねていくと難しくなる場合もありますし、病気や怪我で階段の上り下りが一人ではできなくなることもあります。そうした場合、家族に介助してもらったり、介護ヘルパーのサービスを利用することも考えられますが、できれば一人で普段の生活を続けられるのが望ましいでしょう。そのため、平屋住宅に強い魅力を感じているシニア世代も増えています。
立地条件は利便性や交通手段を重視
老後のことを考えると、生活に便利なエリアに住み替えたい、駅に近いところに住みたいといった立地条件も含めた新築住宅を考えている方も多くいます。
高齢化に伴って誰しも体力が落ちていくことは分かりきっているので、買い物や娯楽で出かけるのに便利なエリアで暮らすことが望まれます。
スーパーが遠いと普段の生活が大変になります。徒歩圏に日常生活で必要な買い物ができるお店があると便利です。
さらに散歩ができる公園や景色が綺麗な川沿いが近ければ、気分転換に外出するのも楽しくなります。
また、年齢を重ねる事で自動車の運転に自信がなくなる方もいらっしゃいます。最近、高齢者の自動車事故のニュースが多く報道されており、自動車免許の自主返納を行うドライバーも増えてきています。
将来的に車を手放すことも考えると、駅が近かったりバスの利便性の高いエリアに暮らすことで、移動手段がなくならないことも重視しています。
住宅を建てる場所の候補としては、子どもが住んでいる場所と近いところに住宅を建てる方もいらっしゃいます。近所だと何かあった時に安心です。逆に子どもが孫を預けて外出したり仕事に行くこともできるので、子ども世帯にもメリットがあります。孫の顔を見る機会が増えることも楽しみの1つでしょう。また、二世帯住宅を建てて一緒に住む方もいらっしゃいます。そうした生活面や子や孫のことも踏まえて、シニア世代は新築住宅をどこに建てるのが良いかを考えています。
住み替え後は住宅の広さを縮小するケースが多い
シニア世代が新築住宅へ引っ越す場合、住宅の広さを縮小して夫婦2人のサイズにすることが多いです。
2人だけの生活になるので、若い頃に建てた住宅のような子ども部屋の数を確保するために間仕切りを増やしていくよりも、仕切りをなるべく少なくして開放的な住宅にしたいという要望もあります。老後に安心して快適に暮らせる住宅を求める傾向が強いでしょう。
住宅は広くすれば、その分だけ住宅の建設費用が高くなりますので、必要な面積だけを確保する方が多いです。
シニア世代の新築住宅の価格については、購入される方が最も重要視している部分でもあります。住宅に費用をかけるだけでなく、老後の生活費や娯楽費にも預貯金を残しておきたいと考える方は多くいます。退職後は年金だけが収入源になる方も多いので、今まで貯蓄してきたお金を有効活用しながら快適な住まいを得ようと考えます。
住宅ローンを利用する方もいらっしゃいますが、住宅を売却したお金を自己資金に充当してなるべく借入金額を少なくするのが、安定した老後にもつながるでしょう。