注文住宅の見積りを比較する難しさ
注文住宅を建てたいと思っている方の中には、「建築費用をできるだけ安くし、お得に住宅を建てたい」と考えている方も多いでしょう。住宅は高額になりますので、少しでも安くするために複数の建築会社に見積り依頼をかけて、比較して検討する方が多いです。
複数の会社に相談をしたり、見積を依頼したりするのは良いですが、実際に建ててもらう業者を絞り込んでいく時には注意が必要です。
見積もりの内容をよく理解せず、価格が安いだけで決めてしまうと、実際に住宅ができてから思っていたのと違う部分が出てきたり、品質が低い住宅になってしまったりする恐れも出てきます。住宅を建ててから、リフォームや修繕をしようとすると、また高額な費用がかかってしまいますので、そうしたことがないようにしたいです。
今回は、注文住宅を建てる時の見積りについて注意するポイントを整理してお伝えします。
同じことを依頼しても会社によって価格が異なる
注文住宅を建築会社に依頼した際、リクエストや希望など伝えた内容は変わらないはずなのに、出てくる見積りやプランは各社で大きく異なってきます。
もちろん、会社によって間取りの広さや建物の形状が異なるプランであれば、施工する床面積が異なってきますので、価格が異なるのは当然ですが、もしプランが一緒のもので見積を取ったとしても、会社によって見積もり価格が変わります。
各々の会社で使用する建材が異なったり、工法がそれぞれ違っていたり、見積もりに反映される要素は多々あります。さらに業者によって、建材の仕入れ値段は違います。
そのため、単純に同じものを注文しても見積り価格が異なるのは当然のことです。価格が同じであったとしても、使用している建材のランクが違ったり、住宅の工法が違ったりもします。
このように価格だけで建築会社を絞り込むのが難しいのが分かると思います。
価格だけで比較するのではなく、見積の内容も比較検討
注文住宅の見積り価格を見て業者を決めようとしても、住宅の内容や仕様が異なるものを価格だけで比較することになります。そのため、業者の絞り込みを行う場合には、価格だけでなく住宅の仕様や工法も確認して比較することが必要です。
見積もりの内容を比較していくのは意外と労力がかかりますし、見積りを依頼するだけでも業者と打ち合わせを重ねなければなりません。そのため、見積りを依頼する業者は、2〜3社くらいに絞り込んで依頼をした方が負担は少なくなるでしょう。
その時に参考にしたいのが、会社の施工実績や社歴、得意としている工法や技術力があるかなどといった会社の実績や技術力の面です。
また、意外と軽視しがちですが担当者との相性も重要です。担当者は建築会社とのパイプ役です。理想の住宅が手に入れられるかどうか、担当者に住宅の思いや希望、ライフスタイルなどがしっかりと伝わらなければ、良い家を建てるのは難しいでしょう。
打ち合わせをしていても信頼できない担当者であれば、もしかすると会社自体が信頼度の低い会社かもしれません。契約を焦ってきたり、強引に進めたりする場合も注意した方が良いでしょう。
見積もりの内容比較には、設置されるキッチンやユニットバス、トイレ、給湯器などの設備のメーカーや仕様を比較しましょう。設備はわかりやすいので、確認しやすいです。
また、外構工事が見積もりに含まれているかどうかも大きな違いになります。外構工事は意外と費用がかかる項目です。全く外構工事が含まれていない見積もあれば、道路からエントランスまでのアスファルト舗装工事などが含まれている場合もあります。外構工事の有無は見積り依頼した時の伝え方によっても変わります。
ランニングコストを比較検討する視点も重要
建物の躯体部分となる構造や工法についても確認しましょう。住宅自体の寿命や性能にも関わるところですので、各業者のパンフレットや説明で比較検討すると良いです。構造や工法は建物が建つと目に見えないところですが、住宅の気密・断熱に力を入れて省エネ性能が高い住宅であれば冷暖房費を抑えることができます。
外壁材の種類も豊富にありますので、どのような外壁材を使用しているかを比較しましょう。外壁材によってメンテナンスが多くかかるものもあれば、耐久性が高くメンテナンスがあまりかからない外壁材もあります。
維持やメンテナンスの手間がかからないものを選択すると、建てる時は費用がかかりますが、長い目で見るとお得な場合が多いです。見積が出てきた時は、建築費用に注目しがちですが、住宅が完成して生活する時のランニングコストを比較することも、施工会社を選ぶ重要なポイントの1つです。