- 平屋住宅
- 2015.08.04
平屋に取り入れられている低燃費住宅とは?
平屋は階段がないため移動が楽で、広いスペースを活用しやすく、近年人気を増している住宅のタイプです。昇り降りの必要がないこと、構造的に危険な箇所が少ないことから、高齢者に向いている住宅といえます。また、平屋にはフロアが1つしかないことから家族間のコミュニケーションが発生しやすく、家族で住むにも適しています。
そんな平屋は、エネルギー消費を少なくして光熱費を抑える「低燃費」を実現しやすい住宅だといわれています。その理由として挙げられるのは、平屋が1フロアの住宅であるという点です。1フロアだと窓を開ければすぐに風通しがよくなりますし、冷房や暖房も家全体へ行き渡りやすくなります。
なお、平屋を低燃費住宅として発展させられる方法がいくつかあります。ここでは、低燃費を実現する取り組みを紹介していきます。
低炭素化により低燃費が実現
地球温暖化が進み、二酸化炭素の排出量を削減する「低炭素化」が叫ばれている昨今。東日本大震災後、エネルギーの需要が変化したことから、さらに多くのシーンにて低炭素化の意識が高まってきています。そこで平成24年より、低炭素建築物認定制度が始まりました。
法律により指定されている条件としては、例えば「木造住宅であること」、「節水機器を設置していること」、「ヒートアイランド対策をしていること」、「HEMSあるいはBEMSを設置していること」などがあります。これらの取り組みは、どれも消費エネルギー量を減らして省エネを実現できるもの。平屋にも適用できるものばかりなので、平屋を低燃費住宅とすることができます。
断熱対策により室内を常に快適な空間に
室内で快適に過ごそうと考える際、多くの場合夏には冷房が、冬には暖房が使用されます。しかし、家全体に冷房や暖房を効かせるとなるとコストがかかり、冷房の設定温度を下げたり暖房の設定温度を上げたりして光熱費が高くなるケースが多くあります。また、それでも冷房や暖房の効果が十分に行き渡らないことも考えられます。
この問題を解決できるのが、断熱対策です。室内を快適な空間にするためには、外気から熱が入ってくることや、外気へ熱が逃げることをできるだけ抑える必要があります。そのため、窓や外壁、あるいは内壁に断熱対策を施すことで、低燃費かつ快適な住宅を実現することができるのです。
断熱対策を施し、外気との熱の出入りが少なくなることで、冷房や暖房の効きが格段によくなります。空調をかけても、そこから遠い部屋であれば冷房や暖房が効く前に外気の影響を受けてしまいますが、その影響を遮断することができれば冷房や暖房の効果がしっかり広がります。特に冬場は、家のなかの温度差をできるだけ少なくすることで、ヒートショックを予防することができます。ヒートショックとは、温度の急激な変化により血圧に多大な不可をかけてしまう現象のことで、心筋梗塞や脳梗塞の原因となるものです。浴室やトイレなどは冷え込みやすく、要注意ですが、断熱対策により冷え込みを抑えることが可能です。平屋はフロアが1つしかないため空調の効果が家全体に行き渡りやすく、断熱対策の効果がより現れやすい設計といえます。
オール電化・太陽光発電システムで低燃費に
低燃費を実現するためには、オール電化にすることが効果的です。オール電化にすると、電気代とガス代を一本化することができ、それまでガスで補っていた給湯などはエコキュートと呼ばれるシステムで行うことになります。エコキュートは夜中の電気料金が安い時間帯に給湯しておいてくれるので、料金が安くなるのです。
また、太陽光発電システムと組み合わせるのがオール電化の定番です。太陽光発電システムを導入すれば、月々の電気料金を全てまかなうことも可能となります。余った電気は電力会社へ売却することもでき、とても経済的です。エコキュートによる給湯に使用する電力も、太陽光発電システムによってまかなうことができます。
平屋でもオール電化や太陽光発電システムの導入は可能で、低燃費を実現することができます。平屋の敷地面積が広ければ、屋根により多くの太陽光発電パネルを設置することも可能です。
平屋を低燃費住宅に
以上のような取り組みを行うことで、平屋を低燃費住宅にすることができます。低炭素化を実現したり室内をより効率的に快適にしたりするためには、ほかにもさまざまな取り組みがあり、平屋は住みやすいだけではなく低燃費にしやすい住宅だともいえます。