樹脂サッシとは?樹脂サッシの特徴やメリット、デメリットを紹介!
近年、高性能住宅では「樹脂サッシ」を採用するケースが増えてきており、一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は「樹脂サッシとは何か」をテーマに特徴やメリット、デメリットについて紹介します。
樹脂サッシとは
樹脂サッシとは、塩化ビニール樹脂を使って作られた断熱性能の高いサッシです。もともとはドイツで開発され、北米や北欧など、寒さが厳しい国々で幅広く使用されています。
日本では北海道や東北などの雪国で使用されることはあるものの、海外に比べるとまだまだ浸透していません。
ただ、昨今は「断熱性」や「気密性」を重視した家づくりが求められるようになり、雪国以外でも樹脂サッシを採用するケースが増えつつあります。
そんな樹脂サッシですが、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。
樹脂サッシのメリット
樹脂サッシには「断熱性が高い」「結露しにくい」「防音効果」の主に3つのメリットがあります。では、それぞれ詳しくみていきましょう。
断熱性が高い
樹脂サッシを採用する最大のメリットは高い断熱性を確保できることです。樹脂サッシは従来のサッシ(アルミサッシ)と比べると熱伝導率が非常に低いので、外気温が室内に伝わりにくい性質があります。
実際、アルミと樹脂の熱伝導率を比べると樹脂はアルミの約1/1000といわれているのです。あまり想像しにくい数値かもしれませんが、この差は非常に大きな違いを生み出します。
たとえば、フライパンをイメージするとわかりやすいでしょう。
アルミ製のフライパンは鍋部分を加熱するとすぐに熱くなり、素手で触ることはできませんが、取手は素手でも触ることができますよね。これは、取手が樹脂でできているからなのです。
アルミでできた鍋部分はすぐに熱が伝わりますが、樹脂製の取手は熱伝導率が低いので、素手で触れるくらいの温度までしか上昇しません。
窓サッシについても同じで、暑さが厳しい夏であっても樹脂サッシであれば外気温が伝わりにくいので室温を安定させることが可能です。
結露しにくい
結露しにくいのも樹脂サッシのメリットといえるでしょう。断熱性が高い樹脂サッシは夏だけでなく冬にもメリットを感じられます。気温が低くなる冬場でも、外から冷たい空気が室内に伝わりにくくなるので、外気との温度差が生まれにくく、結露が発生しにくいという利点があります。また、結露の発生を抑えられるのでカビやダニの発生も防ぐ効果も期待できるでしょう。
防音効果がある
樹脂サッシは断熱性が高いだけでなく、気密性にも優れているので防音効果を期待できます。気密性が高いということは、空気が出入りする量が低いということであり、外から音が伝わりにくいのです。
もちろん、どのようなサッシを採用するかによって効果に違いはあるものの、樹脂サッシを採用すれば高い断熱性や結露の抑制、さらに防音効果を期待できるでしょう。
樹脂サッシのデメリット
さまざまなメリットがある樹脂サッシですが、デメリットについても理解しておかなければなりません。
導入コストが高い
樹脂サッシのデメリットとして挙げられるのが導入コストの高さです。一般的なアルミサッシよりも部品代が高額になることから、どうしても導入コストが高くなってしまいます。選ぶメーカーや商品によって価格に違いがあるものの、従来のサッシよりも1.5~2倍以上の金額になることも珍しくありません。
重さを感じる
アルミサッシよりも強度が劣ることから、樹脂部分を厚くすることで強度を維持しています。そのため、サッシの重量が増してしまい、開閉に重さを感じてしまうことがあるでしょう。
ただ、最近は持ち手に工夫が施されるなど、開閉しやすいように改良されており、デメリットは解消されつつあります。
紫外線に弱い
一般的なサッシと比べると紫外線に弱いといわれており、時間が経つにつれて変色や変形などの劣化が起きてしまうことがあります。とくに太陽光が当たりやすい場所の窓は紫外線に触れる時間が長くなるので、劣化が早まってしまう場合があります。
とはいえ、アルミサッシがまったく劣化しないわけではないので、アルミ製と樹脂製のどちらを選んでも劣化してしまうということは知っておいたほうがよいでしょう。
まとめ
昨今の家づくりでは断熱性や気密性を重視することが多く、樹脂サッシを採用することが増えてきています。樹脂サッシはアルミサッシよりも熱伝導率が低いことから、外気温の影響を受けにくく、室温を安定させる効果があります。
さらに、室温を外に逃がしにくいので、冷暖房効率が高まり、結果的に光熱費を節約できる効果もあるでしょう。
樹脂サッシといっても、各メーカーからさまざまな種類が販売されており、ハウスメーカーや工務店によって採用しているものが異なります。
樹脂サッシの種類によっても、期待できる効果に違いがあることもあるので、どのようなサッシが採用されているのか、事前に確認することをおすすめします。