- 住宅選びのポイント
- 2023.05.09
注文住宅の「こだわり」と「満足感」を両立するコツ
オンリーワンの家づくり。自分の希望が詰まった家が誕生すると思うと、こだわりたい箇所が多くなるのは当然でしょう。希望が多く通るほど満足感は得られますが、暮らしてみると意外と不便に思うこともあるかもしれません。どんなことが起こるのでしょうか。「こだわり」と「満足感」の両立について考えてみます。
注文住宅の「こだわり」とは
人それぞれ、こだわりが違えば、理想とする家も違ってきます。『○○風の雰囲気の中で暮らしたい』『リビングに吹き抜けが欲しい』『多目的スペースが欲しい』など、家族の中でもいろいろ希望があるでしょう。
こだわりは、大きく3つに分けて考えることができます。
- 性能:建物の機能について
- 内観:建物の内装や設備について
- 外観:建物の外装や周辺について
まずは、“家族のこだわりをすべて書き出す”ことです。どんな小さなことでも、思っていることは何でも意見を出してみましょう。後ですべてに優先順位をつけ、一部屋ずつ、間取りを考えてみます。平屋、2階建て、3階建ての階数の希望も考えておくと良いでしょう。ひとまず、書き出してみると、どんな家にしたいのかの外枠が見えてきます。
次に、住宅性能から見ていくことがおすすめです。構造の選択で、木造・鉄筋・鉄骨かから選ぶことから始まります。構造を決めるだけで、家の基本、住宅メーカーを絞っていくことにもつながります。
この時点で、予算によって木造・鉄筋・鉄骨の範囲が決まってしまうこともあるでしょう。
建材や設備などの内観については後でグレード変更できますが、構造については変更できませんから、住宅性能を決めることは一番の要になります。
最後に、こだわりと住宅性能を併せて検討し、住宅メーカーに相見積もりを依頼することになります。
注文住宅の「満足感」とは
例えば、間取りで「リビングに螺旋階段や吹き抜けをつけたい」「大型収納が欲しい」という希望が実現したとしても、暮らしてみると、冷暖房がききづらかったり、整理のできない物置状態になってしまったというケースも出てきたりします。完成時は満足しても、生活する上で不便さを感じ、満足できない状態になることは稀ではないのです。
結局、満足感を得るためには、住む人の生活動線に沿って本当に役立つ間取りになっているのかが重要ポイントになります。内観・外観のこだわりがあったとしても、実質的に機能していなかったり、ランニングコストがかかってしまったりするようでは、こだわりがマイナスに働いてしまうのです。
他にも、おしゃれだと思う流行りの間取りは、家族のライフスタイルには合わないことがあります。生活の連続が暮らしをつくっていくため、今の感覚だけで間取りを求めると、将来的に行き詰ってしまうこともあることを念頭に入れておきましょう。
注文住宅の「こだわり」と「満足感」を両立させるために
どうしたら、こだわりと満足感の両立ができるのでしょうか。それには、プロのパートナー選び=住宅メーカー(設計士)選びが最も重要になります。
打ち合わせを気兼ねなくできる環境が必須
施主のこだわりといっても、ほとんどの方は素人です。こだわりがあってもプロのアドバイスがなければ、完成後のことはわからないでしょう。だからこそ、施主の立場になって情熱を注いでくれるような、信頼できる強力なパートナーが必要なのです。
相見積もり後に、一番希望を叶えてくれそうな住宅メーカー(設計士)を決めるわけですが、契約をする前に確認をしておきたいことがあります。『打ち合わせ回数に制限があるか』『打ち合わせが有料になる場合の条件』です。目的は、“情熱のバロメーター”を図るための確認になります。
打ち合わせ回数を無限に提供することはないとしても、打ち合わせを躊躇させるような条件がある場合、施主が納得のいくところまでたどり着かない可能性があります。打ち合わせで不完全燃焼になれば、完成前から信頼関係が崩れてしまうことになるでしょう。
契約をすると、住宅メーカー(設計士)とタッグを組むことになります。キャンセル料を払わない限り、もう後戻りはできません。費用も大きいだけに、失敗はしたくないでしょう。そのためにも、住宅メーカー(設計士)選びは妥協をせず、打ち合わせを念入りにしてくれるパートナーを選びたいものです。
優れたヒアリング力・提案力、相性の良さが必須
経験豊富でセンスも持ち合わせたパートナーであれば、施主の希望にプラスした目線でプランを立ててくれるはずです。
目には見えない部分になる生活動線や音・熱・光・風・視線・眺めなど、施主のこだわりとは違う点の細かな配慮が数々あってこそ、施主が求めていた期待通りの家になります。完成後は、満足感で家族の笑顔があふれる、オンリーワンの家になることでしょう。