勾配天井のある魅力的な家
名前の通り、天井が水平ではなく、傾斜のついた天井になる「勾配天井」。頭上に高さと広さがある大きな空間は、普通の家とはまったく違う雰囲気を漂わせてくれます。あえて、「勾配天井を造りたい」という希望を出す方があるほど魅力ある家は、どんなものでしょうか。「勾配天井」の魅力に迫ってみます。
勾配天井とは？（吹き抜けとの違い）
本来、フラットな天井の場合、屋根裏や天井裏としてのスペースができるものですが、その空間を利用して勾配をつけた天井が勾配天井です。場合によっては梁が見えてくることもあり、屋根の下にのみ設置できる空間となります。
吹き抜けは、複数階をつなげた空間のことで、例えば、よくある1階の天井と2階の床をなくし、上下の階を一つにつなげた空間が該当します。勾配天井との決定的な違いは『勾配があるかないか』でしょう。縦・横の広がりだけでなく、斜めの要素が加わるかどうかにポイントはあります。設計費用の点にも違いはあり、吹き抜けのほうが天井高を抑える勾配天井より費用は高くなるでしょう。
どちらも『高さと開放感があること』は共通点ですが、どちらを取り入れたいかは、予算と好み次第でしょう。
勾配天井の魅力
勾配を見せることで生まれる勾配天井ですが、どんな魅力があるのか、数々のメリットを見ていきます。
①奥行きと共に生まれる開放感
視線が抜けやすく、実際の平面以上の広さを感じられます。コンパクトな設計が多い都市部の家だとしても、リビングなどに開放感を与えることが可能です。
②採光性に優れている
高い位置に窓を設置することができ、天窓のように光を取り入れられるため、部屋全体に明るさが行き渡ります。季節を気にせず、1年中、自然光が降り注ぐことになります。
③通気性がアップ
通常の位置の窓と高い位置の窓との差で、風の流れを作り出せます。温かい空気は上へ、冷たい空気は下へ行く特徴があるため、いつも新鮮な空気の通り道ができ、通常の空気の動きより大きく、通気性がアップします。
④梁を活かしたおしゃれな空間
デザインのアクセントとして、通常では天井の内側になって見えない梁を見せることにすると、個性的なデザインに一役買うことになるでしょう。梁にカラーをつけることも可能です。
⑤視線が気にならない
窓が高いと人の視線を遮られるため、プライバシー確保や防犯に役立ちます。室内にいながら、日中や夜に空の景色を眺めて楽しむことも可能です。
勾配天井のデメリット
デザイン的におしゃれな空間になる勾配天井ですが、デメリットもあります。見ていきましょう。デメリットもわかった上で勾配天井のデザインを楽しむことが大事です。
①傾斜次第でデザインが活かされない
緩い傾斜ではせっかく勾配天井にしたとしても、おしゃれなデザイン性が活きてこなくなる可能性があります。圧迫感も出てしまうかもしれません。設計段階でよく検討してから取り入れましょう。
②メンテナンスに手間がかかる
一般的な天井より高い位置に窓や照明があるため、掃除や照明器具の取り替えに手間がかかります。場合によっては、室内に足場を組むことになると、業者に依頼しなければならないことになるでしょう。
③建築コストがかかる
工事の手間がかかったり、壁の面積が広がったりするため、一般的な天井にするよりコストがプラスされることになります。電動ブラインドやカーテンなどをつけるとすると、さらに設備コストが上がります。
④照明選びが難しい
勾配天井の斜面に対応する照明を選ばなければならず、勾配天井のデザインを活かせる照明の選択やメンテナンス面も考えると、照明選びに配慮しなければならないでしょう。
⑤冷暖房が効きにくい
通気性はいいのもの、高断熱・高気密の住宅でなければ、冷暖房が効きにくい面も出てきます。シーリングファンの設置も重要ですが、高断熱・高気密の住宅性能が高い家づくりがポイントになるでしょう。
勾配天井の注意点
勾配天井を希望しても難しい場合があり、注意が必要です。『勾配天井の真上には部屋が作れないこと』『部屋によっては不向きなこと』を覚えておきましょう。
勾配天井も、部屋数も欲しいとなると、土地自体の広さが必要になる可能性が出てきます。寝室や子供部屋などに勾配天井を取り入れたい方もいますが、部屋の上が天井なら良いというわけではなく、広くはない個別の部屋でとなると、勾配天井は圧迫感を感じることもあるかもしれません。
頭のイメージだけではなかなかわからないこともあります。ニッケンホームでは、建てたい図面をVRでバーチャル体験ができたり、モデルハウスを見学や無料相談会も行っています。なるべく、実際に近い体験をすることをおすすめします。勾配天井を取り入れることが可能かどうかの相談だけでも大丈夫です。ぜひ、無料相談会にお越しください。
