2025年、新築住宅は「省エネ住宅」が義務化
2025年から、いよいよ新築住宅に省エネ住宅であることが義務化されます。国が目指す「2050年カーボンニュートラル」実現のための取り組みの一つです。「省エネ住宅」とは具体的にどんな住宅でしょうか。経緯を踏まえて見ていきます。
2025年、新築住宅に「省エネ住宅」が義務化される理由
まず、カーボンニュートラルについて説明します。
“カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。”
【抜粋:環境省 脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」より】
つまり、人が排出する温室効果ガスと自然が吸収する温室効果ガスのバランスがゼロになることを、2050年までに目指すというものです。人が排出する温室効果ガスが地球温暖化の主な原因といわれているため、その削減強化が急務となっています。
住宅の建設は、「建材製造、建築、解体」といった流れの中で多くのCO2を排出します。そのため、「省エネ住宅」への取り組みは焦点の一つなのです。
2020年に一度、「省エネ住宅」が義務化される流れがありましたが、まだ建築業者間での習熟度が低かったことや、消費税増税との兼ね合いなどの理由で見送りとなりました。今、2025年というリミットの数字が出てくる根拠となっているのは、2022年、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)の改正です。決まっていた猶予期間が切れるタイミングなのです。
現在とどのように変わる?
今の建築物省エネ法では、適合義務対象となっているのは、延べ床面積300㎡以上の中規模・大規模非住宅だけですが、2025年になると、小規模非住宅・住宅も対象となります。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」においても、「断熱等級4」が義務化されます。
2025年から義務化される「省エネ住宅」の基準
建築物省エネ法で義務化される「省エネ住宅」の適合基準は、2つあります。
①「UA値:外皮平均熱貫流率、ηAC値:冷房期平均日射熱取得率」が基準値以下
UA値は、数値が小さいほど断熱性能が高い住宅、ηAC値は、数値が小さいほど日射熱が侵入にくい住宅を示します。地域によって、UA値、ηAC値の基準は違ってきます。
②「一次エネルギー消費量」が基準値以下
「省エネ基準」となるのは、標準的な設備仕様と住宅規模による『基準一次エネルギー消費量』という数値になります。設計段階で計算される『設計一次エネルギー消費量』が「省エネ基準」に達しているかどうかを判断する数値です。基準以下であれば適合条件にかなっていることになります。
『設計一次エネルギー消費量』とは、冷暖房機などの設備機器、家電、床面積、居住人数、部屋数などを考慮したり、太陽光発電、エコキュートなどの創エネを差し引いたりして出されます。設計時に計算するため、『設計一次エネルギー消費量』といわれるものです。
一次エネルギー消費量の基準数値は、地域や設備機器、家電、床面積、居住人数、部屋数などの細かい計算によって出てくることになります。環境や条件で違ってくるため、各住宅メーカーが基準数値を出し、それ以下で住宅をつくることになります。
今からすぐ検討したい「省エネ住宅」
もし、今、新築住宅を検討しようとしているなら、義務化後ではなく早めに準備を始めることをおすすめします。理由として、『すぐに土地が見つからない』『すぐに理想の住宅メーカーが見つからない』『一斉に「省エネ住宅」探しが始まるため、モデルハウス見学や建築開始に時間がかかる』などが考えられるからです。
「省エネ住宅」の断熱に関する新しい基準として分かれる等級は、断熱性能等級4(省エネ基準)、断熱性能等級5(ZEH基準)、断熱性能等級6(HEAT20 G2相当)、断熱性能等級7(HEAT20 G3相当)になります。等級数字が大きいほど高性能になり、義務化の基準は断熱性能等級4です。
すでに、2025年に義務化される「省エネ住宅」の基準をクリアしている住宅メーカーの商品も出ていますので、モデルルームを見学してみましょう。
ニッケンホームのZEH住宅
ニッケンホームのZEH住宅は、義務化基準より上の断熱性能等級5となっています。省・創エネ、断熱で、消費エネルギーより生み出すエネルギーが多く、耐震化にもこだわった注文住宅です。優れた省エネ住宅を表彰する制度 ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーを2017年から6年連続受賞し、「省エネ住宅特別優良企業賞」も受賞しています。
先を見据え、さらに上のランクとなる断熱性能等級6をクリアする仕様も可能です。ぜひ、ご検討ください。